東京都の空き家解体補助金|都と区市町村の制度と申請の流れ

東京都の空き家解体補助金

「東京都 空き家解体補助金」と検索すると多くの情報が見つかりますが、東京都には空き家の所有者であれば誰でも使える補助金が一本だけあるわけではありません。東京都住宅政策本部が運営する「東京都空き家家財整理・解体促進事業」という都内共通で使える制度がある一方、杉並区・足立区のように区市町村が独自の予算・要綱で運用している老朽家屋の除却助成もあり、東京都内の空き家解体補助金は「都の制度」と「区市町村の制度」の2層構造になっています。

このページでは、東京都全体で使える家財整理・解体促進事業の内容と、区市町村独自の補助制度の実例(杉並区・足立区)、申請から交付までの流れや注意点をまとめてご紹介します。掲載内容は記事作成時点(2026年7月)の情報です。制度は年度や予算状況によって変わることがあるため、実際に申請を検討する際は必ず東京都空き家ワンストップ相談窓口またはお住まいの区市町村窓口で最新の情報をご確認ください。

東京都内の空き家解体補助金の仕組み(都と区市町村の2層構造)

東京都内の空き家解体補助金の仕組み(都と区市町村の2層構造)

空き家対策の根拠となっているのは、2015年に施行され2023年12月に改正された「空家等対策の推進に関する特別措置法」です。この法律に基づき、空き家の除却(解体)を後押しする施策は、主に区市町村が主体となって運用しています。ただし東京都は住宅政策の一環として、都内に所在する空き家であれば共通で使える「空き家家財整理・解体促進事業」を民間住宅部計画課が所管する形で用意しており、これに加えて杉並区・足立区のように区市町村が独自の要綱で老朽家屋の除却を助成する制度を設けているケースもあります。

そのため東京都の補助金を調べる際は、(1)都内に所在する空き家であれば共通で使える都の制度と、(2)お住まいの区市町村が独自に用意している制度、の両方を確認するのが確実です。どちらの制度も対象となる建物の条件や補助額の上限が異なるため、まずは東京都空き家ワンストップ相談窓口、またはお住まいの区市町村の建築指導課・住宅課などの窓口に相談することが第一歩になります。

東京都全体で使える「空き家家財整理・解体促進事業」

東京都全体で使える「空き家家財整理・解体促進事業」

東京都住宅政策本部が実施する「空き家家財整理・解体促進事業」は、空き家状態の早期解決および空き家の利活用等を推進することを目的に、都内に所在する空き家の家財整理または解体に係る費用の一部を補助する制度です。対象となるのは、東京都空き家ワンストップ相談窓口に相談したうえで、解体事業者と契約する前に手続きを進める空き家所有者です。契約後や工事着手後に制度の存在に気づいても対象外になるため、解体業者に見積もりを依頼する段階で、あわせて相談窓口へ問い合わせておくと安心です。

補助額は、対象費用(消費税及び地方消費税を除いた額)に2分の1を乗じる方式で算出され、それぞれ次の上限が定められています。

  • 家財整理に係る費用:2分の1を乗じた額(上限5万円)
  • 解体に係る費用:2分の1を乗じた額(上限10万円)

なお、補助額の計算で1,000円未満の端数が生じた場合は切り捨てとなります。制度の詳しい要件や申請手続きについては、東京都空き家ワンストップ相談窓口(東京都住宅政策本部 民間住宅部計画課 空き家施策企画担当)にご確認ください。

区市町村独自の補助制度の例(杉並区・足立区)

区市町村独自の補助制度の例(杉並区・足立区)

東京都の制度に加えて、区市町村が地域の空き家対策として独自の補助・助成制度を用意しているケースがあります。ここでは杉並区・足立区の例をご紹介します(記事作成時点の情報)。

杉並区:老朽危険空家除却費用の助成制度

杉並区では、「特定空家等」またはこれに準じると区が判定した建築物で、住宅部分の延床面積が2分の1以上、区内に所在し年間を通して使用されていない空き家(共同住宅・長屋は全住戸が空室)などの条件を満たす場合に、除却工事費の80%と150万円のいずれか低い額を助成する制度があります。所有者が個人であることも条件で、法人所有の建物は対象外です。工事着手前に交付申請を行い、交付決定を受けてから工事に着手する必要があり、着手後の申請は認められません。

足立区:老朽家屋等解体工事助成

足立区では、「足立区老朽家屋等審議会」が周辺に危険を及ぼす老朽家屋として勧告した建物を対象に、解体工事費用の一部を助成する「老朽家屋等解体工事助成」を実施しています。対象となるかどうかは審議会による勧告が前提となるため、まずは建築室開発指導課建築監察係へ相談する必要があります。解体業者向けの案内では、消費税分を除く解体費用の10分の9(上限100万円)が助成される制度として紹介されることが多いですが、要綱の詳細や助成率・上限額は年度によって変わる可能性があるため、申請前に必ず窓口でご確認ください。

申請から交付までの一般的な流れ

申請から交付までの一般的な流れ

都の制度・区市町村の制度いずれも、おおまかな流れは次のとおりです(制度によって手順や呼び方は異なります)。

  • 01

    事前相談

    契約前に、東京都空き家ワンストップ相談窓口、またはお住まいの区市町村の窓口へ制度の対象になるかを相談します。足立区のように、審議会等による事前の判定が必要な制度もあります。

  • 02

    交付申請

    所定の申請書類をそろえて申請します。所有者が複数いる場合は、全員の同意書の提出を求められることが一般的です。

  • 03

    交付決定

    都・区市町村が審査し、交付の可否を決定します。決定前に解体業者と工事請負契約を結んでしまうと、補助の対象外になるため注意が必要です。

  • 04

    解体工事の実施

    交付決定を受けてから工事に着手します。多くの制度で、年度内の完了期限が定められています。

  • 05

    完了報告

    工事完了後、写真や領収書など完了を証明する書類を提出します。

  • 06

    補助金の請求・受け取り

    完了報告の確認後、請求書や領収書などの支払いを証明する書類を提出し、補助金・助成金が指定口座へ支払われます。

都の制度・区市町村の制度のいずれも「工事契約前の申請」が前提になっているため、解体業者に見積もりを依頼する段階から、並行して窓口への相談を進めておくと安心です。

申請時に注意しておきたいポイント

申請時に注意しておきたいポイント

東京都・区市町村の制度を利用する際は、次のような点にも注意が必要です。

  • 01

    契約前の申請が絶対条件

    都・区市町村いずれの制度も、解体業者との契約や工事着手より前に申請を済ませておく必要があります。契約後・着手後の申請は原則として対象外です。

  • 02

    予算の上限と受付期間

    区市町村の制度は予算の範囲内・先着順で運用されているものが多く、年度途中でも予算に達すると受付が終了することがあります。

  • 03

    所有者が複数いる場合の同意

    相続などで所有者(共有者)が複数いる場合、全員の同意書の提出を求められることが一般的です。早めに相続人間で意向を確認しておきましょう。

  • 04

    対象となる建物の条件

    特定空家等に指定されている、老朽家屋等審議会の勧告を受けているなど、制度ごとに対象条件が細かく異なります。ご自身の空き家がどの条件に当てはまるかは、書類だけで自己判断せず窓口で確認するのが確実です。

  • 05

    固定資産税・都市計画税への影響

    空き家を解体して更地にすると、住宅用地特例が解除され、翌年以降の固定資産税・都市計画税の負担が増える場合があります。税額の試算や制度の正確な解釈については、税理士や区市町村の窓口など専門家への確認をおすすめします。

お住まいの区市町村の補助金情報を調べる方法

お住まいの区市町村の補助金情報を調べる方法

今回紹介した杉並区・足立区以外にお住まいの場合も、東京都内の多くの区市町村で同様の補助金・助成金制度が用意されている可能性があります。次の方法で確認してみてください。

  • 東京都住宅政策本部の空き家情報サイト(ポータルサイト)の補助金一覧ページで、区市町村の支援制度をまとめた資料を確認する
  • 「(お住まいの区市町村名) 空き家 解体 補助金」で検索し、区市町村公式サイトで要綱や申請様式(PDF)を確認する
  • 区市町村の建築指導課・住宅課・空き家対策担当窓口に問い合わせる
  • 解体を依頼する業者に、都内での補助金活用実績がないか聞いてみる

全国的な補助金・助成金の共通条件については以下のページでも解説していますので、あわせてご確認ください。

補助金を受ける条件をくわしく見る

まとめ:東京都の補助金はまず窓口への相談から

まとめ:東京都の補助金はまず窓口への相談から

東京都の空き家解体補助金は、都内共通で使える「空き家家財整理・解体促進事業」(解体費用の2分の1・上限10万円、家財整理費用の2分の1・上限5万円)と、杉並区・足立区のように区市町村が独自に用意している補助制度の、大きく2つに分かれます。どちらを利用できるか、対象となる建物の条件や補助額がどうなっているかはお住まいの状況によって異なるため、正確な情報を得るには東京都空き家ワンストップ相談窓口やお住まいの区市町村窓口への相談が欠かせません。制度の探し方が分からない、複数の制度のどれが使えるか分からないといった場合は、私たちコンチーゴにもお気軽にご相談ください。区市町村に応じた情報収集や申請書類の準備までサポートいたします。

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