京都市の空き家解体補助金|老朽木造建築物除却事業を解説

京都市の空き家解体補助金

「京都市 空き家 解体補助金」で検索すると、「京都市空き家等の活用・流通補助金」という制度がよくヒットしますが、この制度は令和6・7年度の期間限定事業として実施されたもので、令和7年度で受付を終了しており、令和8年度以降の実施は未定です(2026年7月時点)。過去の記事や口コミ情報をもとに申請を検討すると、実際にはもう使えない制度だったということになりかねません。

このページでは、2026年7月時点で京都市が実際に運用している空き家解体の補助制度「老朽木造建築物除却事業」を中心に、対象条件・補助率・補助上限額・申請の流れと、終了した旧制度の内容・注意点をあわせて解説します。掲載内容は記事作成時点(令和8年度)の情報であり、予算状況や年度によって制度の内容が変わることがあるため、実際に申請を検討する際は必ず京都市都市計画局まち再生・創造推進室(電話:075-222-3503)で最新の情報をご確認ください。なお、京都市の相談窓口の利用は完全無料です。まずは気軽に問い合わせてみることをおすすめします。

京都市で使える空き家解体の補助金制度(2026年7月時点の状況)

京都市で使える空き家解体の補助金制度(2026年7月時点の状況)

京都市は、防災性の向上や空き家の活用促進を目的として、複数の助成制度を設けています。これらは「住宅に関する助成制度」というページに一覧としてまとめられています。京都府内では市区町村ごとに独自の補助制度が運用されており、以下で紹介する制度は京都府全体で一律に使えるものではなく、政令指定都市である京都市が独自に運用しているものである点にご注意ください。このうち解体(除却)そのものを直接補助する制度は、大きく分けて次の2つです。

1つは「老朽木造建築物除却事業」で、防災まちづくり推進事業の一環として、狭い道路にしか接していない等の理由で防災上の危険性が高いと位置づけられる老朽木造建築物の除却費用を補助する、継続的に運用されている制度です。

もう1つは「京都市空き家等の活用・流通補助金」(敷地活用補助)で、市場に流通しづらい空き家が放置されて老朽化することを防ぎ、活用・流通を促進する目的で解体費用を補助する制度でしたが、令和6・7年度の期間限定事業として実施され、令和7年度分の受付をもって終了しており、令和8年度時点では新規の申請を受け付けていません。継続の可否は未定のため、今後の動向は京都市都市計画局住宅政策課(電話:075-222-3667)への確認が必要です。

このほか、解体後の跡地を町内会等が防災広場として整備する場合に活用できる「まちなかコモンズ整備事業」もあります。まちなかで老朽化した危険な建物が倒壊すると避難路をふさぐおそれがあるため、建物の除却費(上限100万円・補助率9/10)と広場の整備費(上限200万円・全額補助)を、跡地の防災活用とあわせて補助する制度です。個人が自宅の解体だけを目的とする場合は対象になりませんが、地域単位での防災まちづくりに関心がある場合の選択肢として紹介します。

そのため、2026年7月時点で京都市内の空き家解体に使える補助金を個人として探している場合、まず対象になり得るのは「老朽木造建築物除却事業」であり、以下ではこちらを中心に解説します。

老朽木造建築物除却事業の対象となる建築物の条件

老朽木造建築物除却事業の対象となる建築物の条件

老朽木造建築物除却事業の対象になるのは、次の要件をすべて満たす建築物です。補助金の対象者は、これらの要件を満たす建築物の所有者です。個人所有の建物に限らず要件を満たせば対象になり得ますが、正確な対象者・要件の判定は窓口での確認が必要です。

昭和56年6月1日時点で現に存していた木造建築物であること(いわゆる新耐震基準が導入される前の古い建物が対象です)。

原則として京町家以外の建築物であること。京都市は京町家について、除却ではなく耐震改修・防火改修による保全を政策として重視しており、「まちの匠・ぷらす」京町家・木造住宅耐震・防火改修支援事業など、除却とは別の支援制度が設けられています。ご自身の建物が京町家に該当する可能性がある場合は、除却ではなくこうした改修支援も含めて窓口へ相談することをおすすめします。

さらに、次のいずれかの立地条件に当てはまることが必要です。老朽木造建築物除却事業は、単に古い空き家であることではなく、狭い道路にしか接していないために救急車や消防車の通行を妨げるおそれがある、避難や消火活動の支障になるといった、防災まちづくりの観点から除却を促進する必要がある建築物を対象にしている点が特徴です。老朽化が進んだ木造建築物は、地震などで倒壊すると狭い道路をふさぎ、周辺住民の避難や救助活動の妨げになるリスクが特に高いため、除却の必要性が高い建築物として位置づけられています。

  • 01

    幅員4メートル未満の行き止まり(袋路)道路にのみ接している

    救急車両等の通行や、地域住民の避難経路の確保が難しい、行き止まりの狭い道路にしか接していない敷地が対象です。

  • 02

    幅員1.8メートル未満の道路にのみ接している

    極端に狭い道路にしか接していないため、災害時の通行・避難に支障が出やすい立地の建築物です。

  • 03

    建築基準法上の道路に接する部分が2メートル未満である

    敷地が道路に接する間口が狭く、建て替えや救助活動が難しいと判断される敷地です。

  • 04

    京都市が指定する優先地区内で、幅員2.7メートル未満の道路にのみ接している

    防災上の優先度が特に高いと京都市が指定した地区(柏野学区・翔鸞学区・仁和学区・正親学区・出水学区・六原学区など)に建物があり、かつ道路の幅員が2.7メートルに満たない場合が対象です。優先地区は京都市が地域の実情に応じて指定を設けるものなので、対象地区の最新の範囲は窓口で確認してください。

  • 05

    京都市が策定する総合的な防災まちづくり計画の対象用地に位置している

    上記の道路条件に当てはまらない場合でも、密集市街地又は細街路の防災性及び住環境の向上を目的として京都市が策定する総合的な防災まちづくり計画の用地の一部として利用されるものであれば対象になることがあります。こうした計画は学区単位で策定されることが多く、対象地区かどうかはお住まいの学区を担当する窓口で確認できます。

自分の建物がこれらの条件のいずれかに当てはまるかどうかは、道路の幅員や接道状況を現地で確認する必要があり、自己判断は禁物です。まずは京都市都市計画局まち再生・創造推進室(電話:075-222-3503)に、建物の所在地と現況を伝えて相談することが確実な第一歩です。

老朽木造建築物除却事業の補助率・補助上限額

老朽木造建築物除却事業の補助率・補助上限額

老朽木造建築物除却事業の補助額は、除却工事に要する費用の2分の1以内で、上限は60万円です。実際の補助額は、解体業者との契約金額や建物の延べ床面積などをもとに算定されるため、正確な金額は事前相談・申請の段階で窓口に確認する必要があります。

参考として、令和7年度で受付を終了した「京都市空き家等の活用・流通補助金」(敷地活用補助)は、昭和64年1月7日以前に建築され、現在居住・使用していない建物(共同住宅・重層長屋を除く)を対象に、解体費用の3分の1(上限60万円)を補助する仕組みでした。対象となる建物は、個人が所有する一戸建てまたは長屋建て住宅(京町家を除く)に限られており、隣地を取得して敷地を統合し、解体後の跡地を50平方メートルを超える一体の土地として利用する場合は、さらに最大20万円が加算されました。あわせて、対象空き家の元所有者が売却した際の不動産仲介手数料の2分の1(上限25万円)を補助する「建物活用補助」もセットになっていました。この制度は期間限定事業として終了しているため、現時点では利用できない点にご注意ください。

申請から補助金交付までの流れ

申請から補助金交付までの流れ

老朽木造建築物除却事業は、次のような流れで進みます(実際の手順・様式は年度によって変わることがあります)。

  • 01

    事前相談

    解体工事の契約・着工前に、京都市都市計画局まち再生・創造推進室へ相談し、建物が対象条件(昭和56年基準・接道条件等)に当てはまるかどうかを確認します。

  • 02

    補助金交付申請

    対象になる見込みが確認できたら、所定の申請書類(建物の所有を確認できる書類、現況写真、解体工事の見積書等)をそろえて申請します。所有者が複数いる場合や、相続によって法定相続人が複数存在する場合は、原則として全員の同意が必要です。

  • 03

    交付決定

    京都市が申請内容を審査し、交付の可否を決定します。交付決定を受ける前に解体業者と工事請負契約を結んだり、工事に着手したりすると、原則として補助の対象外になるため注意が必要です。

  • 04

    解体工事の実施

    交付決定を受けてから工事に着手します。工事内容や工期は、申請時に提出した見積内容と対応している必要があります。

  • 05

    実績報告

    工事完了後、完了を証明する写真や領収書などの書類をそろえて実績報告書を提出します。

  • 06

    補助金の請求・受け取り

    実績報告の確認を経て、請求書等の必要書類を提出すると、補助金が指定口座へ支払われます。

申請時に注意しておきたいポイント

申請時に注意しておきたいポイント

京都市の老朽木造建築物除却事業を利用する際は、次のような点にも注意が必要です。

  • 01

    予算の上限に達すると受付が終了する

    多くの自治体の除却補助制度と同様、予算の範囲内での交付となるため、年度途中でも予算に達し次第、受付が終了する可能性があります。検討する時期に合わせて、早めに窓口へ相談することをおすすめします。

  • 02

    交付決定前の着工はできない

    事前相談・申請を経て交付決定を受ける前に工事請負契約を締結したり、工事に着手したりすると、補助の対象外になります。解体業者に見積もりを依頼する段階から、並行して窓口への相談を進めておくと安心です。

  • 03

    所有者・法定相続人が複数いる場合の同意

    相続などで所有者(共有者)が複数いる場合、法定相続人全員の同意書の提出を求められることが一般的です。早めに相続人間で意向を確認しておきましょう。

  • 04

    京町家に該当する場合は対象外になりやすい

    老朽木造建築物除却事業は原則として京町家を対象外としています。京都市は京町家の保全・活用を政策として重視しているため、京町家に該当する可能性がある建物については、除却ではなく耐震改修・防火改修の支援制度が対象にならないか、あわせて窓口に確認することをおすすめします。

  • 05

    固定資産税・都市計画税への影響

    空き家を解体して更地にすると、住宅用地特例が解除され、翌年以降の固定資産税・都市計画税の負担が増える場合があります。税額の試算や制度の正確な解釈については、税理士や京都市の窓口など専門家への確認をおすすめします。

対象条件に当てはまらない場合の相談先・調べ方

対象条件に当てはまらない場合の相談先・調べ方

老朽木造建築物除却事業の対象条件(昭和56年基準・接道条件)に当てはまらない場合や、京町家に該当する場合でも、次のような方法で他の支援制度がないか確認できます。

  • 京都市公式ホームページの「住宅に関する助成制度」ページで、耐震改修・バリアフリー改修・危険ブロック塀等改善事業など、解体以外の助成制度もあわせて確認する
  • 京都市都市計画局まち再生・創造推進室(電話:075-222-3503)、住宅政策課(電話:075-222-3667)など、内容に応じた担当窓口へ相談する
  • お住まいの区の区役所・支所の窓口でも、担当部署への取り次ぎをしてもらえる場合があります
  • 解体を依頼する事業者に、京都市内での補助金活用実績がないか聞いてみる

全国的な補助金・助成金の共通条件については以下のページでも解説していますので、あわせてご確認ください。

補助金を受ける条件をくわしく見る

まとめ:京都市の補助金はまず窓口への相談から

まとめ:京都市の補助金はまず窓口への相談から

京都市の空き家解体補助金は、以前は「京都市空き家等の活用・流通補助金」(敷地活用補助)が使えましたが、令和6・7年度限定の事業として令和7年度で受付を終了しており、2026年7月時点で利用できるのは、昭和56年6月1日基準・接道条件などを満たす建築物を対象にした「老朽木造建築物除却事業」(補助率2分の1・上限60万円)が中心です。対象条件が細かく、京町家は原則対象外になるなど注意点も多いため、ご自身の空き家が対象になるかどうかは、まず京都市都市計画局まち再生・創造推進室に相談することが確実な第一歩になります。制度の確認や申請書類の準備でお困りの際は、私たちコンチーゴにもお気軽にご相談ください。

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