
空き家解体後の固定資産税、減免してくれる自治体もある?条件と流れを解説
このページでは、空き家を解体した後の固定資産税について、税額が変わる基本的な仕組みだけでなく、自治体によっては解体後の固定資産税を一定期間減免してくれる制度がある、という点を中心に解説します。
固定資産税の減免制度は自治体ごとに条例等で独自に定めているため、対象となる要件や減免額・減免期間は市町村によって大きく異なります。このページで紹介する内容はあくまで一般的な傾向であり、お住まいの自治体で実際に制度があるか、どのような要件かは、必ず市区町村の税務担当窓口にご確認ください。
固定資産税が上がる仕組み(おさらい)
空き家を解体すると固定資産税が上がる仕組みについては「空き家解体でかかる税金」で詳しく解説していますが、要点だけおさらいします。地方税法の規定により、人の居住の用に供する家屋が建っている土地には住宅用地の特例が適用されており、税額が軽減されています。建物を解体(取り壊す)して更地にすると、その土地は住宅用地ではなくなるため、翌年度以降はこの特例の対象から外れて税額が上がります。固定資産税は毎年1月1日(賦課期日)時点の土地・家屋の状況で課税されるため、たとえばその年の12月31日までに解体を終えれば、翌年度分から特例が外れる計算になります。
固定資産税が上がる仕組みをさらにくわしく見る実は、建物を解体しなくても固定資産税が上がるケースがあります。長期間、居住その他の用に供されていない空き家のうち、周辺の生活環境に悪影響を及ぼすおそれがあるなど、空家等対策の推進に関する特別措置法(2015年施行)が定める基準に該当する老朽化した空き家は「特定空家等」に指定されることがあり、自治体から改善の勧告を受けると、その敷地に係る住宅用地の特例が解除され、解体前でも固定資産税が増額される仕組みになっています。なお2023年の法改正では、空家等対策の推進に関する特別措置法において、特定空家等になるおそれのある段階から自治体が指導・勧告を行えるよう「管理不全空家」という区分も新設されました。空き家をそのまま放置しておけば税金面で得をする、というわけではない点は知っておく必要があります。
一方で、解体すると固定資産税を減免してくれる自治体もある

空き家の解体をためらう相続人・持ち主が多いことが、全国的に空き家問題を深刻化させる一因になっているといわれています。住宅用地の特例を適用していたときの税負担の水準に据え置く(実質的に減免する)ことで、こうした減免制度があれば解体に踏み切れる後押しになります。老朽化した危険な空き家(特定空家等に該当するような空き家)の除却を促進するため、空家等対策の推進に関する特別措置法(一般に「空き家対策特別措置法」とも呼ばれます)の趣旨をふまえて、解体後の土地に係る固定資産税・都市計画税を一定期間減免する制度を独自に設けている市町村があります。これは全国一律の制度ではなく、あくまで自治体ごとの任意の施策のため、実施していない自治体も少なくありません。まずはお住まいの自治体の窓口(役所)やホームページで、このような減免制度があるかどうかを確認することが最初のステップになります。
減免を受けられる主な要件(判定基準の例)

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01
空き家の要件
多くの自治体では、老朽化が進み、そのまま放置すれば倒壊のおそれや周辺への悪影響が懸念されるなど、特定空家等の判定基準に該当する(または該当するおそれがある)空き家であることを対象要件としています。単に空き家というだけでなく、危険性や管理不全の状態が一定程度認められることが前提になっているケースが一般的です。自治体によっては、昭和56年(1981年)5月31日以前に着工された、いわゆる旧耐震基準の建物であることを要件の一つに加えている場合もあります。
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02
所有者の要件
空き家の所有者本人(個人)が申請すること、固定資産税を滞納していないこと、営利目的で当該空き家・土地を保有していないこと、法人が所有するものでないこと、といった要件が設けられている自治体が多く見られます。相続した空き家の場合は、相続人である所有者が申請者になるのが一般的です。所有者が複数いる共有名義の空き家の場合は、代表者の選任や関係者全員の同意が必要になることもあります。
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03
解体後の土地の要件
解体して更地にした後も、一定期間その土地を売買・賃貸・営利目的で利用せず所有し続けることを条件とする自治体もあります。減免期間中に土地の用途を変更すると、その時点で減免が打ち切られることもあるため、解体後の土地活用を検討している場合は事前に確認しておくと安心です。
減免される金額・期間の目安

固定資産税は、土地・家屋の評価額をもとに算出される課税標準額に税率を掛けて計算されます。多くの減免措置は、本来(住宅用地の特例がなくなった場合)の税額ではなく、住宅用地の特例をそのまま適用しているとみなして算出した税額まで、一定期間税負担を軽減する仕組みです。減免される金額・期間は自治体によって大きく異なり、課税標準額の算定方法自体は変わらないまま、固定資産税相当額の全部または一部を、解体から1年〜数年程度にわたって減免するケースが一般的です。ただし正確な金額・期間・上限は制度を実施している自治体ごとに個別に定められているため、このページで紹介する内容を自分のケースにそのまま当てはめず、必ず自治体の税務担当窓口で確認してください。
減免を受けるまでの流れ(申請の一般的な4ステップ)

おおまかな流れは自治体によって多少異なりますが、次の4ステップが一般的です。
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01
自治体へ事前相談
まずは空き家がある市町村の税務担当課や空き家対策担当課に、解体前の段階で減免制度の有無や対象要件を相談します。自治体によっては解体前の相談・申請が前提となっている場合があるため、解体工事を発注する前に確認しておくことが重要です。
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02
自治体による現地調査
空き家の状態が対象要件(老朽化の程度など)を満たしているか、自治体の担当者が現地調査を行うことがあります。調査の結果に基づいて、減免制度の対象になるかどうかが判断されます。
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03
空き家の解体(除却)
自治体側が要件を満たすと認める場合、実際に空き家を解体(除却)します。解体業者の選び方は「空き家の解体業者の選び方」でも解説しているので、あわせてご確認ください。
空き家解体業者の選び方をくわしく見る -
04
減免申請書類の提出
解体後、除却を証明する書類(工事完了報告書や登記関係書類など)とあわせて、自治体が定める減免申請書を提出します。申請後、自治体による審査を経て対象と決定されると「減免決定通知書」が交付され、翌年度分の固定資産税から減免が適用される、という流れが一般的です。申請の期日が定められていることが多いため、解体後は早めに手続きを進めましょう。
減免が終了する事由・注意点

固定資産税の減免制度を利用する際は、次の点にも注意しておきましょう。
- 減免の要件・減免額・申請期日は自治体ごとに異なるため、他の自治体の事例をそのまま自分のケースに当てはめないこと
- 売買等により土地の所有者が変わった場合や、解体後の土地に新たに家屋が建築された場合など、いずれかの事由に該当すると、期間の途中でも減免が終了することがあること
- 事実と異なる内容で申請する(虚偽申請)と、減免措置の取り消しやそれ以外の不利益な措置を受ける可能性があること
- 特定空家等に指定されている場合など、そもそも減免の対象外とされるケースがあること
まとめ:お住まいの自治体の制度を確認し、専門家にも相談を

空き家を取り壊すと、住宅用地の特例が外れて固定資産税・都市計画税が上がるのが基本的な仕組みですが、老朽化した危険な空き家の除却を促進する目的で、解体後の固定資産税を一定期間減免する制度を設けている自治体もあります。適用の可否や減免額・期間は自治体ごとに大きく異なるため、まずはお住まいの市町村の窓口に相談し、必要に応じて税理士にも確認しながら進めることをおすすめします。空き家解体にかかる費用や補助金制度についても知っておきたい方は、あわせて下記のページもご覧ください。
空き家解体の補助金・助成金をくわしく見る 空き家解体費用の相場をくわしく見る 空き家解体と税金の全体像をくわしく見る\ MI-ELが選ばれる理由 /
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