遺品整理と保険・年金の手続き|使える保険の種類から年金の届出まで

大切な人が亡くなったあと「遺品整理には保険が使えるらしい」と聞いたものの、自分の家のケースが当てはまるのか、どの保険なのか分からず手が止まってしまう方は少なくありません。実際、故人が加入していた火災保険・少額短期保険・生命保険の内容によっては、遺品整理や原状回復にかかる費用の一部を保険金でまかなえる場合があります。

このページでは、遺品整理は保険が適用されるのかという結論、故人が加入していた保険の探し方、遺品整理費用に使える可能性がある保険の種類、保険金を請求する流れと必要書類、賃貸物件の火災保険を解約する際の注意点まで、まとめて解説します。年金の資格喪失・未支給年金の手続きや、相続の手続き全体の流れ、相続放棄を検討している場合の遺品整理の注意点は、それぞれ専用ページでも詳しく解説しています。

遺品整理は保険が適用される?結論と確認しておきたい理由

遺品整理は保険が適用される?結論と確認しておきたい理由

結論として、故人が生命保険や火災保険、少額短期保険(ミニ保険)などの保険契約に加入していた場合、契約内容によっては遺品整理にかかる費用の一部を保険金でまかなえることがあります。故人の貯金や、亡くなった後に下りる保険金を遺品整理・葬儀費用に回す、という形で費用を捻出できる場合もあります。遺品の中から保険証券や通帳、公的機関からの通知書などが見つかった場合は、家財の仕分け・処分を本格的に進める前に、まずこれらの書類に目を通しておくことをおすすめします。なお、保険金の受け取りが相続放棄の判断に影響することもあるため、相続放棄を検討している場合は、遺品の処分を進める前に専用ページもあわせて確認してください。

相続の手続きと遺品整理の全体像をくわしく見る

故人が加入していた保険を遺品の中から確認する方法

故人が加入していた保険を遺品の中から確認する方法

故人がどの保険に加入していたか、家族が把握していないケースは少なくありません。まずは自宅の金庫や引き出し、実家の書類棚、衣類の合間などに保管されていることが多い、次のような遺品を確認しましょう。

  • 保険証券・契約内容のお知らせ、生命保険料控除証明書などの書類
  • 通帳・クレジットカードの利用明細(保険料・掛け金の支払いや口座からの引き落とし記録)
  • 保険会社からのハガキ・郵便物、ノベルティ

会社員だった場合は、給与から保険料が天引きされているケースもあるため、勤務先に確認する方法もあります。加入している保険会社が分かっても、保険証券が見当たらない場合は、契約者本人の死亡が確認できる書類(死亡診断書、または死体検案書の写しなど)を用意したうえで、保険会社のコールセンターへ保険契約の有無を問い合わせることができます。契約者と面識のない担当者に個人情報を伝える形になるため、必要な書類は各保険会社の案内に従って準備してください。生命保険については、公益財団法人生命保険協会の「生命保険契約照会制度」を使うと、複数の生命保険会社への加入状況を一括で照会できる場合があります。

遺品整理費用に使える可能性がある保険の種類

遺品整理費用に使える可能性がある保険の種類

故人が生前に加入していた保険契約や特約によって差はありますが、次のような保険が遺品整理・原状回復の費用に適用され、補填に使える場合があります。加入している保険がどれに当たるか、保険証券や契約のしおりで補償内容を確認してみましょう。

  • 01

    火災保険・家財保険(賃貸物件の特約を含む)

    持ち家・賃貸を問わず加入している火災保険・家財保険には、水漏れや孤独死にともなう汚損・破損の原状回復費用、遺品整理費用の一部を補償する特約が付いている場合があります。火災保険は損害保険の一種で、契約によっては経年劣化ではない損害・修繕費用まで補償の対象になることがあります。賃貸物件では、大家(家主)側が加入している火災保険に、入居者の死亡にともなう原状回復・遺品整理費用を補償する特約が付帯しているケースもあるため、遺族側だけで判断せず、まずは大家・管理会社に保険契約の補償内容を確認してもらうとよいでしょう。実家が空き家のまま相続される場合は、居住者がいない状態を前提とした火災保険への切り替えが必要になることもあるため、あわせて確認しておきましょう。

  • 02

    少額短期保険(孤独死・原状回復に備えるミニ保険)

    近年は、一人暮らしの高齢者が増えたこともあり、大家・管理会社が加入する「孤独死保険」(少額短期保険・ミニ保険と呼ばれる商品の一種)も増えています。孤独死のリスクや、入居者に連帯保証人がいない場合の不測の事態に備える目的で加入されることが多く、生命保険のような大きな保障ではなく、入居者本人が加入する入居者型と、大家が加入する家主型があります。掛け金が比較的少額に設定されている商品が多く、いずれも原状回復費用・特殊清掃費用、家賃の損失を補う空室補償、遺品整理費用の一部などを補償する内容が中心です。孤独死や事故による死亡の場合は、通常の退去よりも清掃・原状回復費用が高額になりやすいため、補償範囲・補償金額・家賃の補償期間は商品によって差があることも踏まえ、契約している保険会社に確認してください。

  • 03

    生命保険・医療保険(保険金の受取人と請求の流れ)

    故人(被保険者)が生命保険に加入していた場合、受取人に指定されている方が保険会社に保険金を請求できます。受取人には故人の配偶者や子のほか、兄弟姉妹が指定されていることもあり、受取人が指定されていない場合は法定相続人が請求することになります。保険金の使い道に法律上の制限はないため、下りた保険金を遺品整理費用や葬儀費用に充てることも可能で、遺品整理の費用がほぼこの保険金だけで賄えるケースもあります。終活の一環として、こうした費用にあらかじめ備える目的で生命保険に加入している方も増えています。ただし保険金は原則として受取人自身の財産となり、相続財産(遺産分割の対象)には含まれないとされているため、他の相続人の同意なく受け取って差し支えありませんが、使い道について事前に共有し、やり取りの記録を書面などに残す形にしておくと後のトラブルを防げます。掛け金の払込みが亡くなる直前まで続いていたかどうかは、保険契約が有効に継続していたかの確認材料にもなります。故人が医療保険に加入していた場合は、入院給付金など請求し忘れている給付金がないかも、保険証券とあわせて確認しておきましょう。

保険金を請求する手続きの流れと必要書類

保険金を請求する手続きの流れと必要書類

保険金の請求方法は保険会社によって多少異なりますが、おおまかな流れは共通しています。

  • 01

    保険会社へ連絡する

    保険証券に記載されているコールセンターや代理店へ連絡し、契約者が亡くなったことを伝えます。保険契約の内容によって請求できる保険金・給付金の種類が案内されます。

  • 02

    必要書類を準備する

    一般的に次のような書類が必要とされています。保険会社ごとに指定の書式があるため、案内に沿って準備しましょう。

    • 死亡診断書(写し)
    • 故人の除籍が確認できる戸籍謄本
    • 受取人の本人確認書類・印鑑証明書
    • 保険金支払請求書、保険証券
  • 03

    保険金支払請求書を提出する

    必要書類がそろったら、保険会社の指定する方法で請求書類一式を提出します。

  • 04

    保険会社の審査を経て保険金が支払われる

    提出後は保険会社による確認・審査を経て、指定した口座に保険金が支払われます。保険会社が保険金を支払うまでの審査に要する期間は、保険会社・契約内容によって数週間程度から1ヶ月程度と幅があります。

保険金の請求期限は保険法上、原則として3年とされています。期限が近づくと請求できなくなるおそれがあるため、遺品整理の中で保険証券が見つかった時点で、早めに保険会社へ連絡することをおすすめします。

賃貸物件の火災保険は名義変更・解約に注意

賃貸物件の火災保険は名義変更・解約に注意

故人が賃貸物件に住んでいた場合、火災保険・家財保険の保険契約は契約者の死亡によって失効することが一般的ですが、そのまま放置すると退去までの間、火災や水漏れの補償がない状態になってしまいます。部屋を明け渡すために家財を片付ける遺品整理を進める際は、退去(明け渡し)のタイミングに合わせて保険会社へ契約者死亡の連絡をし、解約・名義変更の手続きについて確認しましょう。遺品整理業者に依頼する場合も、保険の請求可能性があることを事前に伝えておくと、価値のある遺品を誤って処分されずに済みます。

一方で、相続放棄を検討している場合は、賃貸借契約の解約や敷金の精算に応じる行為が、相続財産の処分(単純承認)とみなされるおそれがあるとされています。大家や管理会社から早期の解約・明け渡しを求められても、相続放棄をする可能性がある間は安易に応じず、まずは相続放棄を検討している場合の遺品整理の注意点をまとめた専用ページも確認したうえで、弁護士に相談することをおすすめします。

相続放棄を検討している場合の遺品整理の注意点をくわしく見る

年金の手続きも忘れずに|資格喪失・未支給年金

年金の手続きも忘れずに|資格喪失・未支給年金

遺品の中から年金手帳や年金証書が見つかった場合は、保険の手続きと合わせて年金の手続きも確認しておきましょう。年金を受給していた方が亡くなった場合、年金受給権者死亡届(報告書)を年金事務所へ提出する必要があり、目安として14日以内とされています(日本年金機構にマイナンバーが登録されている場合は原則不要)。届出をしないまま受け取り続けると、後日返還を求められることがあります。また、死亡した月の年金がまだ支払われていない場合は、生計を同一にしていた遺族が「未支給年金」として請求できます。いずれも請求書のほか戸籍謄本・死亡診断書の写しなどが必要になるため、詳しい要件は年金事務所や年金相談センターに確認しながら進めることをおすすめします。

保険・年金の手続きで専門家に相談すべき場面

保険・年金の手続きで専門家に相談すべき場面
  • 保険会社から保険金の支払いを拒否・減額された
  • 相続放棄を検討していて、保険・年金の受け取りが相続放棄に影響するか不安
  • 相続人同士で保険金の使い道について意見が対立している

このような場合は、内容に応じて弁護士・社会保険労務士・税理士など専門家への相談を検討しましょう。遺族の経済的な負担を減らす意味でも、相続の手続き全体の進め方や遺品整理そのものの進め方は、専用ページでも詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

遺品整理の進め方・手順をくわしく見る

保険・年金の手続きに関するよくある質問

保険・年金の手続きに関するよくある質問
遺品整理を始める前に、保険・年金の手続きを終えておく必要はありますか。
家財の仕分け・処分を始める前に完了させておく必要はありませんが、保険証券や年金手帳などの重要書類は、家財を処分してしまう前に優先して探し出しておくことをおすすめします。手続き自体は遺品整理と並行して進めて構いません。
故人がどの保険に入っていたか全く分かりません。どうすればよいですか。
保険証券や通帳、保険会社からの郵便物を手がかりに調べるほか、生命保険については公益財団法人生命保険協会の生命保険契約照会制度を利用すると、複数の生命保険会社への加入状況を一括で確認できる場合があります。
孤独死保険(少額短期保険)を選ぶ際に確認しておくべきことはありますか。
大家・管理会社が孤独死保険を選ぶ場合は、補償範囲(原状回復費用・遺品整理費用・特殊清掃費用まで含むか)、補償金額の上限、家賃の空室補償期間の3点を中心に、複数の商品を比較して確認することをおすすめします。掛け金の安さだけで選ぶと、実際に孤独死が起きた際に補償が不足することもあるため、契約前に補償内容を保険会社に確認しましょう。
保険金や未支給年金は相続放棄をしても受け取れますか。
生命保険の死亡保険金や未支給年金は、受取人自身の権利として請求できる(相続財産に含まれない)と考えられているケースが多く、相続放棄をしても受け取れる場合があります。ただし契約内容や個別の事情によって判断が異なるため、相続放棄を検討している場合は、受け取る前に弁護士や年金事務所へ確認しておくと安心です。
賃貸物件の火災保険はいつ解約すればよいですか。
退去(明け渡し)のタイミングに合わせて保険会社へ連絡し、解約や名義変更の手続きを確認するのが一般的です。ただし相続放棄を検討している場合は、解約や敷金精算への対応が相続財産の処分とみなされるおそれがあるため、判断を急がず弁護士に相談してから対応することをおすすめします。

まとめ:保険証券・年金手帳が見つかったら早めに確認を

まとめ:保険証券・年金手帳が見つかったら早めに確認を

遺品整理の中で保険証券や年金手帳が見つかった場合は、家財の処分を進める前に、まず保険契約の内容や手続きの必要性を確認しておくことが大切です。火災保険・少額短期保険・生命保険は遺品整理費用の補填に使える場合があり、年金は受給停止の届出を忘れると受け取りすぎた分の返還を求められることがあります。相続放棄を検討している場合は、保険・年金の受け取りや賃貸物件の解約が相続放棄に影響しないか、判断に迷う前に弁護士や年金事務所へ相談しながら進めましょう。私たちコンチーゴでも、遺品整理を進める中で見つかった保険・年金に関するご相談を承っています。

\ MI-ELが選ばれる理由 /

01
専門家チームによるワンストップ対応

専門家チームによる
ワンストップ対応

02
相続・不動産・税務のプロが連携してサポート

相続・不動産・税務の
プロが連携してサポート

03
相談実績多数、初回相談は無料

相談実績多数
初回相談は無料

04
地域密着 × 全国対応、最適な専門家をご紹介

地域密着 × 全国対応
最適な専門家をご紹介

御相談は以下のフォームからお気軽にお問合せください。

ご相談のきっかけ必須
ご相談内容必須
具体的なお悩み・状況任意
お名前必須
電話番号任意
メールアドレス必須
※今後のご連絡・資料送付に使用します。
※メールがない場合はお電話でご連絡します。