相続の手続きと遺品整理|進める順番と弁護士に相談すべきケース

「相続の手続きと遺品整理は、どちらを先に進めればよいのか分からない」「相続放棄を考えているが、遺品を先に片付けてしまっても大丈夫なのか」——身近な方が亡くなったあと、遺品整理と相続の手続きが同時に発生し、どちらを優先すべきか迷う方は少なくありません。

このページでは、相続の手続きと遺品整理をどう並行して進めればよいか、相続開始から必要になる主な手続きとその期限の目安、相続人が複数・疎遠・行方不明の場合の遺品整理の進め方、そして弁護士に相談すべき具体的な場面まで、法的な手続きの視点から整理して解説します。相続税や相続放棄、保険・年金の手続きそのものは、それぞれ専用ページでさらに詳しく解説しています。

相続の手続きと遺品整理は誰が進める?

相続の手続きと遺品整理は誰が進める?

遺品整理・相続の手続きは、故人の配偶者や子など相続人が中心となって進めるのが一般的です。相続人が複数いる場合は、後述のとおり全員で方針を共有してから着手するのが基本です。遺言書で遺言執行者が指定されている場合は、相続財産の管理・処分について遺言執行者の権限が優先されるため、遺品整理を始める前に遺言書の有無を確認しておきましょう。

内縁の配偶者や疎遠だった親族など、法律上の相続人にあたらない人が遺品整理を手伝うこと自体は問題ありません。ただし、財産的価値のある遺品の処分や実家(不動産)の扱いを決める権限は、あくまで相続人にあります。相続人以外の方が主体的に判断してしまうと、後から相続人との間でトラブルになることがあるため、進め方や範囲を事前に相続人へ確認しておくと安心です。実家の遺品整理を誰が進めるかについては、別ページでも詳しく解説しています。

実家の遺品整理の進め方をくわしく見る

相続の手続きと遺品整理、どちらを先に進める?

相続の手続きと遺品整理、どちらを先に進める?

結論からいうと、相続の手続きと遺品整理は「どちらかを終えてから次へ」と考えるものではなく、並行して進めるのが基本です。ただし遺品の中から、通帳・印鑑・権利証・保険証券・年金手帳・遺言書といった相続の手続きに関わる書類・貴重品が見つかることが多いため、家財道具の仕分け・処分に本格的に着手する前に、これらの書類だけは優先して探し出しておく必要があります。重要書類の具体的な探し方・仕分けの手順は、遺品整理の進め方のページで詳しく解説しています。

遺品整理の進め方・手順をくわしく見る

一方で、家財道具そのものの仕分け・処分は、相続の手続きの進み具合を待たなくても着手して構いません。ただし、実家などの不動産の相続人がまだ決まっていない場合は、建物・敷地に関わる遺品(工具・植木鉢等)や価値のある家財の処分は、遺産分割協議で誰が引き継ぐか方針が固まるまで急がないようにしましょう。遺産分割協議や相続登記が長引き、実家が空き家のまま放置される期間が延びると、固定資産税の負担が続くほか、老朽化が進んだ場合には特定空き家に指定され税負担が増えるおそれもあります。実家の遺品整理ならではの進め方・空き家として放置するリスクは、別ページでさらに詳しく解説しています。

相続開始から必要になる手続きとスケジュールの目安

相続開始から必要になる手続きとスケジュールの目安

相続に関する手続きの中には、法律で期限が定められているものがあります。遺品整理と並行して、次のようなスケジュール感を頭に入れておくと、期限に追われて慌てることを防げます。

  • 01

    死亡届の提出、年金・保険の資格喪失手続き(目安7〜14日以内)

    故人が亡くなった事実を知った日から7日以内に、死亡診断書を添えて死亡届を市区町村役場へ提出するとされています。あわせて、年金の受給停止や健康保険の資格喪失手続きも、14日以内を目安に進める必要があるとされています。これらの手続きは遺品整理と並行して、比較的早い段階で済ませておきましょう。

  • 02

    相続放棄・限定承認の検討(3ヶ月以内)

    借金などマイナスの財産の方が多い可能性がある場合は、相続放棄や限定承認を検討します。申述の期限は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内とされているため、通帳の入出金履歴や督促状など、財産・負債が分かる書類を早めに確認しておくことが大切です。

  • 03

    準確定申告(4ヶ月以内)

    故人に一定額以上の所得があった場合、相続人が代わりに確定申告(準確定申告)を行う必要があり、期限は相続の開始を知った日の翌日から4ヶ月以内とされています。

  • 04

    相続税の申告・納付(10ヶ月以内)

    相続財産が基礎控除額を超える場合、相続税の申告・納付期限は相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内とされています。この期限までに遺産分割協議もある程度まとめておく必要があります。

  • 05

    遺留分侵害額請求(1年以内)

    一部の相続人の遺留分(最低限保障される相続分)が侵害されている場合、請求できる期限は相続の開始と侵害の事実を知った時から1年以内とされています。

  • 06

    相続登記(3年以内・2024年4月義務化)

    実家などの不動産を相続した場合、相続の開始・不動産の取得を知った日から3年以内に登記の申請をしないと、10万円以下の過料の対象になるとされています。すでに相続が発生している不動産についても2027年3月31日までに登記が必要とされているため、名義がまだ故人のままになっている場合は早めに法務局や司法書士へ相談することをおすすめします。

このほか、生命保険金の請求や火災保険・自動車保険の名義変更・解約といった手続きも、遺品整理を進める中で見つかった証書をもとに対応することになります。期限を過ぎると選べる選択肢が狭まる手続きもあるため、遺品整理の作業と並行して、早い段階でこれらの期限を確認しておきましょう。具体的な進め方は、弁護士・税理士・司法書士などそれぞれの専門家にご確認ください。

相続人が複数・疎遠・行方不明のときの遺品整理の進め方

相続人が複数・疎遠・行方不明のときの遺品整理の進め方

相続人が複数いる場合は、遺品整理を始める前に全員へ連絡し、いつ・誰が・どこまで手をつけるかの方針を共有しておくことが欠かせません。一部の相続人だけで遺品や財産を処分してしまうと、後から「勝手に処分された」「自分の取り分が減った」といった親族間のトラブルに発展することがあります。特に不動産や高額な財産が含まれる場合は、遺産分割協議が整うまで、家財以外の処分(実家そのものの扱いなど)を急がないようにしましょう。

  • 01

    連絡が取りにくい・疎遠な相続人がいる場合

    手紙や内容証明郵便で連絡を試みる、他の親族から連絡先を確認してもらうといった方法があります。連絡が取れないまま遺産分割協議を進めることはできないため、それでも連絡がつかない場合は、次の「行方不明の場合」の対応とあわせて専門家に相談しながら進める必要があります。

  • 02

    相続人の中に行方不明者がいる場合

    生死や所在が長期間分からない相続人がいる場合、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てる、一定の要件を満たせば失踪宣告を申し立てるといった手続きが必要になることがあります。遺品整理・遺産分割協議のどちらも、こうした法的手続きを経てからでないと進められない場合があるため、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

  • 03

    相続人の中に未成年者・判断能力が十分でない方がいる場合

    相続人本人が単独で遺産分割協議に参加できない場合、家庭裁判所で特別代理人や成年後見人の選任が必要になることがあります。この場合も、遺産分割協議書を作成する前に手続きが必要になるため、司法書士や弁護士に確認しておきましょう。

遺品整理で弁護士に相談すべきケース|司法書士・税理士との役割の違い

遺品整理で弁護士に相談すべきケース|司法書士・税理士との役割の違い

相続に関する相談先は、内容によって適した専門家が異なります。書類の手続きだけで完結する内容であれば司法書士・税理士・行政書士に依頼できますが、相続人同士で意見が対立している、あるいは対立する可能性がある場合は、代理人として交渉・手続きができる弁護士への相談が適しています。

  • 相続登記(不動産の名義変更)は司法書士
  • 相続税の申告は税理士
  • 遺産分割協議書の作成(争いがない場合)は司法書士・行政書士
  • 遺産分割協議がまとまらない、調停・審判が必要な場合は弁護士
  • 遺留分侵害額請求は弁護士
  • 事情が複雑な相続放棄・限定承認の申述は弁護士

遺品整理を進める場面で、特に弁護士への相談が有効なのは次のようなケースです。

  • 01

    遺産分割協議がまとまらないまま、遺品整理だけを先に進めようとしている

    遺産分割協議が整わないうちに一部の相続人だけで遺品や財産を処分してしまうと、後々のトラブルの原因になります。まとまらない状態が続く場合は、早めに弁護士へ相談しましょう。

  • 02

    一部の相続人が遺品や財産を勝手に処分してしまった、その疑いがある

    すでに処分されてしまった場合も、諦めずにまず弁護士へ相談することをおすすめします。状況によっては金銭での解決を求められることがあります。

  • 03

    遺留分を侵害されている可能性がある、相続人の調査・特定が難しい

    遺言の内容によって遺留分が侵害されている疑いがある場合や、相続人が疎遠・行方不明・未成年などで調査そのものが難しい場合も、弁護士に相談すべき場面です。相続放棄をするかどうか判断に迷う財産(マイナスの財産を含む)が見つかった場合も同様です。

これらに当てはまらない、相続人同士に対立のない通常の遺品整理・相続手続きであれば、必ずしも弁護士へ相談する必要はありません。まずは私たちのような遺品整理の窓口にご相談いただければ、必要に応じて提携する弁護士・司法書士・税理士のご紹介も可能です。なお、遺品整理業者とのあいだで高額請求や契約トラブルが起きた場合の対処法は、別ページでまとめて解説しています。

遺品整理の悪徳業者トラブルと対処法をくわしく見る

相続の手続きと遺品整理に関するよくある質問

相続の手続きと遺品整理に関するよくある質問
相続の手続きと遺品整理、どちらを先に始めればよいですか。
どちらかを終えてから次に進むのではなく、並行して進めるのが基本です。ただし、通帳・印鑑・権利証・遺言書などの重要書類の捜索だけは、家財の仕分け・処分の作業より先に済ませておくと安心です。
相続放棄をするかもしれない場合、遺品を処分しても大丈夫ですか。
形見分けの範囲を超えて遺品を売却・処分すると、単純承認とみなされ相続放棄ができなくなるおそれがあるとされています。判断に迷う場合は、処分前に弁護士へご確認ください。
相続人の一人と連絡が取れません。遺品整理は進めてよいですか。
重要書類・貴重品の捜索など緊急性の高い作業は進めても構いませんが、遺産分割協議に関わる財産の処分は、連絡が取れない相続人がいる状態で進めるとトラブルの原因になります。内容証明郵便での連絡や、家庭裁判所での不在者財産管理人の選任など、専門家に相談しながら対応することをおすすめします。
遺品整理は弁護士に頼まなくても大丈夫ですか。
相続人同士に対立のない通常の遺品整理・相続手続きであれば、弁護士へ依頼する必要は必ずしもありません。遺産分割協議がまとまらない、遺留分の問題がある、相続人の調査が難しいといった事情がある場合に、弁護士への相談を検討しましょう。
遺品整理は相続人以外がやってもよいですか。
内縁の配偶者や親族など相続人以外の方が手伝うこと自体は問題ありません。ただし、遺品の処分や実家(不動産)の扱いを最終的に決める権限は相続人にあるため、事前に相続人へ確認したうえで進めましょう。

まとめ:相続の手続きと遺品整理は、期限と対立の有無を意識して進める

まとめ:相続の手続きと遺品整理は、期限と対立の有無を意識して進める

相続の手続きと遺品整理は並行して進めるのが基本ですが、相続放棄・準確定申告・相続税申告・相続登記など法律で期限が定められた手続きがあるため、重要書類の確認だけは早めに済ませておく必要があります。相続人が複数・疎遠・行方不明の場合や、遺産分割協議がまとまらない場合は、弁護士への相談も選択肢に入れて進めましょう。手続きの進め方や、遺品整理そのものの相談まで、私たちコンチーゴにお気軽にご相談ください。

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01
専門家チームによるワンストップ対応

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02
相続・不動産・税務のプロが連携してサポート

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相談実績多数、初回相談は無料

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