自分で遺品整理をする方法|メリット・デメリットと進め方
身近な方が亡くなると、葬儀や手続きに追われるなかで遺品整理も進めることになりますが、業者に依頼すると数万円から数十万円の費用がかかることもあり、「できることなら自分たちで進めたい」と考える方は少なくありません。そのため実際には、遺品整理は法律上必ず業者に依頼しなければならない作業ではなく、荷物の量や状況によっては自分で行うことも可能です。
このページでは、自分で遺品整理をする場合のメリット・デメリットから、始める前に決めておきたいこと、仕分けから処分までの基本の手順、よくあるトラブルと注意点、自分での対応が難しいと感じたときの目安までまとめて解説します。
遺品整理は自分でできる?メリットとデメリット

遺品整理の作業そのものに資格や許可は必要なく、家族や親族だけで進めることは可能です。ただし業者に依頼する場合と比べてメリット・デメリットの両方があり、体力的に大変な作業でもあるため、自分で片付けるか業者に依頼するか、始める前に把握しておくと後から後悔しにくくなります。
自分で行うメリット
最も大きいのは費用を抑えられる点です。業者に依頼すると間取りや荷物の量に応じて数万円から数十万円かかりますが、自分で行えばゴミ処理の費用や道具代程度に抑えられます。また、他人に急かされることなく自分たちのペースで進められる、遺品ひとつひとつに触れながら故人との思い出を振り返る時間を持てる、という点もメリットです。荷物を丁寧に見ていく分、通帳や印鑑、有価証券、価値のある貴金属や骨董品、土地の権利書といった見落としやすい資産にも気づきやすくなります。
自分で行うデメリット
一方で、体力的・時間的な負担は業者に依頼する場合よりも大きくなります。特に実家など荷物が多い住居では、家具・家電の搬出だけでもかなりの労力がかかり、タンスなど大型で重い家具が多い場合は特に大変です。実際の作業現場では、想定以上に時間がかかることも珍しくありません。仕事をしながらだと何日にも分けて作業することになりがちです。通帳・印鑑・有価証券・遺言書といった貴重品や重要書類、思い出の詰まった大切な衣類を、他の不用品と一緒に誤って処分してしまう可能性もあります。分別や処分方法の判断に迷う場面も多く、親族が複数いる場合は形見分けを巡って意見が食い違い、トラブルに発展することも少なくありません。
自分でやるか業者に頼むかの判断の目安
迷ったときは、次のような点を目安に判断すると決めやすくなります。荷物の量が少なく数日程度で片付けられそうか、作業できる人手を確保できるか、賃貸の退去期限などに間に合うスケジュールで進められるか、通帳や印鑑、有価証券、遺言書といった貴重品や重要書類の判断を自分たちで見極められるか、親族間で処分方針の合意が取れているか、といった点です。当てはまらない項目が多い場合は、無理をせず業者への依頼も検討しましょう。
自分で遺品整理を始める前に確認しておきたいこと

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01
始める時期を決める
遺品整理を始める時期に法律上の決まりはありませんが、賃貸住宅か持ち家かで事情が変わります。賃貸で一人暮らしをしていた場合は、賃貸借契約が終了する退去・明け渡しの期限までに片付けなければならず、早い段階で解約手続きを確認し、早急に着手する必要があります。持ち家であれば急ぐ必要はなく、四十九日などの法要や気持ちの整理がついたタイミングで始める方が多く見られます。なお、故人が生前に自分の持ち物を整理しておく「生前整理」とは異なり、遺品整理はあくまで亡くなった後に遺族が行う作業です。違いを詳しく知りたい方は「生前整理・終活との違い」のページをご覧ください。始める時期の詳しい目安は「遺品整理を始める時期と流れ」のページで解説しています。
遺品整理を始める時期と流れをくわしく見る 生前整理・終活との違いをくわしく見る -
02
親族に声をかけて話し合う
独断で処分を進めると、後から他の相続人に「勝手に片付けた」と受け取られ、トラブルになることがあります。作業を始める前に、相続人となる親族へ一言連絡し、形見分けしたい物がないか、いつ集まるかを話し合い、遺族全員の同意を得るようにしておくと安心です。相続放棄を検討している親族がいる場合、遺品を処分してしまうと相続を単純承認したとみなされ、相続放棄ができなくなるおそれがあります。判断に迷う場合は、進める前に弁護士や司法書士に確認しておきましょう。
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03
必要な道具をそろえる
仕分け用の段ボール箱、可燃・不燃・資源ごとに分けられるだけのゴミ袋、荷物に何を入れたか明確に分かるようラベルを付けるガムテープとマジック、作業用の軍手・マスク・スリッパ・汚れてもよい服装、家具の解体に使うドライバーやペンチ・はさみ、重い荷物を運ぶための台車などを事前に用意しておくと、作業が進むペースも変わってきます。多くはホームセンターや100円ショップでそろえられます。
自分で遺品整理を進める基本の手順

自分で遺品整理を進める際は、次の4つのステップで進めると迷いにくくなります。
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01
スケジュールを立てる
何日かけて終わらせるか、誰がどの日に集まるかを決め、無理のない範囲でスケジュールを立てます。一人で抱え込まず、複数人で分担できる日を先に押さえておくと、作業の手間や日数を減らせます。
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02
貴重品・重要書類を先に仕分ける
他の荷物に手をつける前に、通帳・印鑑・現金・有価証券・遺言書といった貴重品に加え、健康保険証・マイナンバーカード・パスポート・年金手帳などの身分証明書、土地や不動産の権利書、保険証券・契約書といった重要書類を探し出します。重要な物は一箇所にまとめる作業を最初に行い、なくさないよう別の場所に保管しておきます。ここで見落として処分してしまうと、後の相続手続きや解約手続きに支障が出るため、真っ先に取りかかりたい作業です。クレジットカードや公共料金の契約書類も、解約手続きに必要になるためあわせて保管しておきましょう。思っていたより価値のある物が見つかるケースもあるため、焦らず時間をかける気持ちで確認しましょう。
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03
残す・譲る・売る・捨てるに仕分ける
貴重品以外の遺品は、思い出として残す物、親族や知人に形見分けする物、貴金属・骨董品・着物・タンスなどの家具・家電・衣類など価値がありそうな物、そのまま処分する不要な物の4つに分類します。作業はキッチン・リビングなど部屋ごとに区切って進めると迷いにくくなります。価値がありそうな物は査定に出すかどうかをこの段階で判断しておくと、後の処分作業がスムーズです。判断に困る物は無理に決めず、いったん保留にしておくと後で対応しやすくなります。
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04
処分・清掃をして完了
仕分けが終わったら、自治体や地域のルールに沿ってゴミを出し、売却する物は業者やリサイクルショップへ、供養したい物はお焚き上げの手配をします。最後に部屋を掃除して完了です。荷物が大量にある場合は、自治体の粗大ごみ受付や不用品回収業者への依頼も検討しましょう。
仕分けた遺品の処分方法

「残す」「譲る」以外に仕分けた遺品は、主に次のいずれかの方法で処分します。
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01
リサイクルショップ・買取業者に売る
貴金属・骨董品・着物・時計・家具・家電など値がつきそうな物は、リサイクルショップへの持ち込みのほか、自宅まで出張買取に来てもらう方法、フリマアプリへの出品などで買い取ってもらえる物もあります。売れる物と売れない物の見分け方や具体的な買取方法は「遺品の買取・査定」のページで詳しく解説しています。
遺品の買取・査定をくわしく見る -
02
仏壇・位牌などはお焚き上げで供養する
仏壇・位牌・人形など、そのまま処分することに抵抗のある物は、寺院や専門業者にお焚き上げを依頼して供養する方法があります。詳しくは「遺品の供養・形見分け」のページをご覧ください。
遺品の供養・形見分けをくわしく見る -
03
自治体のルールに沿って捨てる
可燃ごみ・不燃ごみ・資源ごみ・粗大ごみの分別ルールは地域ごとに異なるため、事前に自治体のホームページ等で収集日と出し方を確認しておきます。エアコン・冷蔵庫・洗濯機・テレビなど家電リサイクル法の対象品や、タンスなどの大型家具は、通常のごみとして出せず、購入店や自治体が案内するルートでの引き取りが必要になる点に注意してください。
自分で遺品整理をするときによくあるトラブルと注意点

自分で遺品整理を進めていると、次のようなトラブルに直面することがあります。想定より価値のある物がたくさん見つかるケースもあるため、判断に迷ったら無理に決めず、いったん保留にして先へ進めましょう。
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01
貴重品・重要書類を誤って処分してしまう
通帳や印鑑、有価証券、遺言書などを他の不用品と一緒に袋に入れてしまい、そのまま処分してしまうケースは少なくありません。作業の最初に貴重品専用の箱を用意し、見つけたその場で移しておくと防ぎやすくなります。
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02
親族間で意見が食い違いトラブルになる
形見分けしたい物が重なる、処分の判断を一人に任せる形になってしまう、といった状況からトラブルに発展することがあります。作業前の話し合いと、判断に迷う物は「保留」として一旦取り分けておく運用が有効です。
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03
ゴミの量が予想以上に多く終わらない
長年暮らした住居ほど、たくさんの荷物が出てきて量が多くなりがちで、想定より作業が終わるまでに日数がかかることがよくあります。大量の粗大ごみが出る場合、自治体によって受付から回収まで日数がかかるため、早い段階で予定を確認しておくと安心です。
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04
近隣への配慮不足で苦情につながる
荷物の搬出時の物音や、共用部が汚れることが原因で、近隣住民からの苦情が発生することがあります。解体・分解作業に伴う音が出る場合は深夜や早朝の作業を避けるようにし、搬出経路の養生など事前にできる対策をしておきましょう。
自分での遺品整理が難しいと感じたら

体力的に厳しい、荷物の量が多くゴミ屋敷に近い状態になっている、遠方に住んでいて何度も通うのが難しい、仕事などで時間が取れない、親族だけでは処分の判断がつかない、といった場合は、無理をせず専門の遺品整理業者に相談することをおすすめします。
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01
業者に依頼する場合の流れ
電話やWebでの問い合わせから、現地見積もり(または写真・間取りでの概算見積もり)、日程調整、作業当日の搬出・仕分け・清掃、お支払いという流れが一般的です。見積もりは複数社から取り、内訳を比較して選ぶと安心です。
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02
料金相場の目安
料金は間取りや荷物の量によって数万円から数十万円まで幅があります。自分で行う場合よりも費用はかかりますが、体力的な負担や時間を大きく減らせます。間取り別の詳しい相場は「遺品整理の費用・料金」のページで解説しています。
遺品整理の費用・料金をくわしく見る -
03
信頼できる業者を選ぶポイント
一般廃棄物収集運搬業許可を持っているか、遺品整理士認定協会が認定する「遺品整理士」が在籍しているか、実際に利用した方の口コミ評価が多いかは、業者を選ぶ際の目安になります。具体的な選び方は「遺品整理業者の選び方」のページで詳しく解説しています。
遺品整理業者の選び方をくわしく見る
自分で遺品整理をする際によくある質問

まとめ:無理のない範囲で進め、難しいと感じたら業者へ相談を

遺品整理は自分たちで進めることも可能ですが、貴重品の見落としや親族間のトラブル、体力的・時間的な負担といったデメリットもあります。始める前に時期を決め、親族と話し合い、道具をそろえたうえで、貴重品の仕分けを最優先に進めることが失敗を防ぐポイントです。相続手続きに関係する書類の有無も忘れずに確認してください。作業の途中で難しいと感じた場合は、無理に続けず専門の遺品整理業者への相談もあわせて検討してください。
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